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人類と感染症の闘い [放送大学]

先週の土曜日、今日と2回に分けて放送大学の面接授業、人類と感染症の闘いに行ってきました。

内容はいろいろな感染症が人類の歴史や社会にどのように影響を与えてきたかという内容で、それぞれの感染症自体の自然科学的な説明あり、歴史や偉人の話あり、感染症対策の現況に関する話ありで、楽しめました。

講師が別に書いている原稿も紹介してもらったので、それはまだ読んでいないですが、備忘もかねてそのリンクを紹介しつつ、整理してみます。

【序論】
人類の大量死は、戦争や虐殺だけではなく、感染症でも起こってきた。
第1次世界大戦は900万人、第2次世界大戦は5000万人が死んだが、
中世のペストでは7500万人が死に、スペイン風邪では5000万人が死んだ。

それぞれの流行は人類の大移動など社会的な背景がある。

http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM0909_02.pdf


【天然痘】
ウイルス。
人類が根絶に成功した唯一の感染症。

日本にはどうやら仏教伝来のときに一緒に入ってきてしまったらしい。
藤原氏もばたばた死んだので、道長までおはちが回ってきた。
また、流行してこれは大変だ、ということで大仏を作ることになった。

昔から天然痘であばたになった人は多かったそうだが、肖像画などではそれを書かないのがお約束だったとのこと。

根絶できる感染症には以下の条件がある。天然痘はこれを満たしている。

・かかったら必ず症状が出る(出ないと見逃す)
・人間しかかからない
・良い予防ワクチンがある。

http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM0911_02.pdf

【結核】
菌。
高谷父もかかった病気ですね。

産業革命のイギリスや明治日本の製糸工場では劣悪な環境で感染が多かった。
かつては静養するしか無く、実はそういう療養所では9割方治っていたらしいが、
そもそも療養所には入れる人自体金持ちで栄養状態が良かった。

抗生物質のおかげで大変に少なくなった。

http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM0912_03.pdf

【ペスト(黒死病)】
菌。
モンゴル帝国によって巨大な交易圏が出来たせいで、ヨーロッパに侵入したと思われる。
実はローマ帝国でも流行っていたけど。
中世の大流行ではヨーロッパの人口の1/3が失われてしまった。
ローマ教会の権威も低下して、宗教革命につながった。

今は抗生物質のおかげで直せる。

http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM1002_03.pdf

【ポリオ】
ウイルス。
小児麻痺の主因。

日本は世界に先駆けて根絶した。時の厚生大臣古井喜実の政治判断で、ソ連から効果が高い生ワクチンを輸入した。

現在、アフガニスタン、パキスタン、インド、ナイジェリアの4か国まで減っているが、なかなか根絶できない。

・人間しかかからない
・良い予防ワクチンがある。

と言う条件を満たしているけど、

・かかったら必ず症状が出る(出ないと見逃す)

というのを満たしていない。

http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM1003_03.pdf

【風疹】
ウイルス。
三日ばしか。

症状は軽くて大したことがないが、妊婦がかかると生まれた子供が難聴・白内障・心臓中隔欠損などの障害が発生することがある。

アメリカは子供全員にワクチンを打ったが、日本は妊婦の感染を避ければ良いと言うことで女子中学生のみに売っていた。しかし、結局男性にもかかったりしてウイルスがある限り排除できず、日本では80年代まで結構流行が起きて対策が遅れていたが、幼児全員にワクチンを打つことにしたので、2000年に入ってからはほとんど感染者が出ていない。
もう一息。

【インフルエンザ】
ウイルス。

これは最近注目されていますね。
スペイン風邪として流行っていたころは、ウイルスが見つかっていなかった。

新型インフルエンザ騒動では、結局日本は死者がとても少なく、"miracle of Japan"と言われた。
理由としては、以下。その国の公衆衛生の総合力が問われる。

・医療インフラの整備:保険制度
・早期発見
・早期治療
・基礎疾患を持つ人への治療レベルが高い

ただし、舛添大臣がかっこつけてパフォーマンスした水際対策はあまり効果がなかった。
潜伏期間も考えれば、あんなの意味ないことはすぐにわかるのにね。

スペイン風邪の時代よりウイルスの知識はあるし、抗ウイルス剤、抗生物質があるので、今後はあんなに死者が出ることはないのでは、とのこと。


【西ナイル熱】
ウイルス。
日本脳炎の仲間。

アレキサンダー大王はこれで死んだのでは、という説あり。
なぜかアメリカで流行ったが、遺伝子解析をするとイスラエルから持ち込まれたとわかった。
しかし、それがどんな形かはよくわからない。

http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM1007_03.pdf

【麻疹】
ウイルス。
はしか。

日本でもつい最近、大学生などに流行して大騒ぎになった。
日本の対策は遅れていた。

世界的にも排除(根絶の一歩手前)に向けて努力がなされており、日本が属する西太平洋地域でもあと一歩。

http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM1007_03.pdf



とりあえず、今学期の面接授業はこれでおしまい。
溜まった放送授業、追いつかなきゃ。




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コメント 5

konishi

HIVはまだ闘っている途中というところですかね。。
by konishi (2010-11-02 08:41) 

akko

新型インフルエンザの水際対策の犠牲になった私です。妊婦だったので、特に怖がらせられたし、成田空港ではなかなか入国できなかったなあと苦笑いの思い出です。
by akko (2010-11-02 22:57) 

高谷徹

HIVは、
・感染しても症状がはっきり出るとは限らない。
・人間にしかかからない(でも、チンパンジーの病気と分かれたのはたかだか200年前くらいと言う話も)
・ワクチンない。

といったところでしょうか。
by 高谷徹 (2010-11-03 01:06) 

高谷徹

インフルエンザの水際対策は1割しか捕捉できていなかったとのこと。それは意味がないわけではなくて、国内への広がりを遅らせたかも知れないけど、関西で国内感染が広がった時点で、もっと対策を打つべきこと(病院へ医師を帰す)があったんじゃないの、ということ。


by 高谷徹 (2010-11-03 01:08) 

加藤茂孝

以前のメールで、「人類と感染症との闘い、その2」を2013年6月1日、2日に放送大学文京センターでやるとお知らせしましたが、講師の年令問題で、取り消されてしまいました。消滅です。残念です。代わりに、モダンメディア(栄研化学)という雑誌に連載します。機会があったら読んでください。おそらく、雑誌発行後にURLでよめるようになるはずです。
by 加藤茂孝 (2013-05-02 10:43) 

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