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特別展古代ギリシャ [芸術]

相変わらず変な天気の中、東京国立博物館の古代ギリシャ展に行ってきました。
http://www.greece2016-17.jp/

ギリシャというと紀元前5C頃のペルシャ戦争の時のイメージが強くなりますが、キュクラデス文明、ミノス文明、ミュケナイ文明、(暗黒時代、)幾何学様式・アルカイック時代、クラッシック時代、古代オリンピック、マケドニア王国、ヘレニズムとローマと時代別にわかりやすく展示がなされています。

実のところ、ギリシャを旅行しているし、大英博物館も見ているので、それほど珍しい物を見たという感覚はなかったのですが、日本語で説明されているのでよく分かりました。

しかし、そうしたところではいつも英語の解説なので、ミノア文明とミノス文明、ミケーネ文明とミュケナイ文明など、日本語の用語の揺れはちょっと混乱します。

「ギリシャ」は現在の西欧文明の起源だというのは、彫刻にしろ、建築にしろ、そのとおりだと思いますが、「ギリシャ」というのがどの領域かは現在と違うし、まっすぐ西欧の歴史につながっているかと言えば、一旦中世にはイスラム圏につながって、再導入した感じだと思うんですけどね。

このあたり、いろいろな歴史的な視点の影響があるようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%A2#.E6.A4.8D.E6.B0.91.E5.9C.B0.E4.B8.BB.E7.BE.A9.E3.81.AE.E5.BD.B1.E9.9F.BF


「バーミヤン大仏天井壁画」と「黄金のアフガニスタン」 [芸術]

今年もあっという間に6月、後で行けばいいやと思っていた展覧会も気がつけば終了間近。さっと見てきました。

九州でやっていた頃から気になっていた「黄金のアフガニスタン」ですが、東京国立博物館で開催中、連動した企画として東京藝術大学でも「バーミヤンの大仏天井壁画」という特別展をやっています。

アフガニスタンはアレキサンダー大王の東征やシルクロードの時代からの遺産がたくさんありましたが、ソ連の侵攻、その撤退後の内戦、タリバン政権によって、多くが破壊されたり、盗まれて海外に流出してしまいました。

ところが、心ある博物館員達が密かに隠されていた文化財が、内戦終了後の2003年に「発見」されました。
また、流出した文化財は日本でも102点も集められ、アフガニスタンに返すべく、大切に保存されてきました。

略奪のアフガン文化財、返還へ 日本に流れた102点
http://www.asahi.com/articles/ASJ5V4DF6J5VUHBI01J.html

まずは東京藝術大学。
日本で集められた102点のうち87点が展示され、なぜか無料。素晴らしい。
そして、ハイライトは、バーミヤンの大仏の天井壁画の復元。

バーミヤンの大仏は2001年にタリバンによって破壊されてしまいました。
大仏の頭上には壁画があったことが知られていましたが、この頃の略奪によって全く失われてしまいました。
それを、過去に撮影された写真等をもとに復元したものです。

ちょうど解説がされていたので、四頭立ての馬車に乗る太陽神を中心とした壁画の内容がよく分かりました。
太陽神の左右上部には風神がいるんですよね。
風神はもともとギリシャの神だったものが、バーミヤンにも伝わり、そして日本の風神雷神までつながってくるのですね。


続いて東京国立博物館の「黄金のアフガニスタン」。
こちらは日本で集められた文化財は15点に過ぎないものの、アフガニスタンで守られていた黄金等の装飾品が飾られています。

黄金にトルコ石をふんだんに埋め込んだ精緻な装飾品も素晴らしいし、エジプト製とされる透明なガラス器など、日本の縄文時代から古墳時代に相当する時代に、圧倒的に進んだ文明があったことを感じます。ギリシャだけではなく、インドやペルシャの影響もあります。

アフガニスタン、是非行ってみたいですけど、外務省の海外安全情報だと、
「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」」
ですからね。

サントリー美術館「広重ヴィヴィッド」 [芸術]

放送大学の面接授業の帰りにサントリー美術館の「広重ヴィヴィッド」を見てきました。

広重の「「六十余州名所図会」70枚全部が出ていて、「名所江戸百景」も前期後期で半分ずつ。
とんでもない量が展示されているので、(若冲展ほど混んでいませんが)閉館までの2時間ではちょっと駆け足でした。

広重のベロ藍を使った色の鮮やかさや、遠近法を強調した空間の広がりは素晴らしいものの、たくさんあるとどれも同じようでちょっと飽きてきますね。

面白いと思ったのは、国内の名所と呼ばれるところが、現在の観光地とちょっと違うところです。
青を生かすためか海や川が多いですが、知らないところが多い。

江戸百景も、会社の近くらしきところが出てきますが、どこか分かりませんね。
ちなみに井の頭公園もありましたけど、こんなに広くて美しい場所でもないし・・・。

かなりデフォルメされていると言うことですね。
色と良い、構図と良い、写実的と言うよりかっこよくてきれいな絵を作っている感じがします。


生誕300年記念 若冲展 [芸術]

朝も夜も平日も休日も混んでいて、時間によっては240分待ちとのことでびびっていましたが、東京都美術館の若冲展に行ってきました。

16:20分くらいから並んで、1時間ちょっとで入場、18:15まで時間延長されていたので、1時間ちょっと見るという感じで、夕方で気温も高くなかったし、それほど酷い目には遭いませんでした。
しかし、音声ガイドのレンタルでも並び、完売となってしまった図録の予約受付でも並ぶという・・・。

確かに若冲は人気があるのだと思うものの、この2月に行った山種美術館の「ゆかいな若冲・めでたい大観 ―HAPPYな日本美術―」や、昨年行ったサントリー美術館の「若冲と蕪村」ではのんびり見ることができたので、何なんだという感じです。
やはり有名な美術館であったり、テレビで特集されたりという影響が大きいのでしょうか。


さて、肝心の展示ですが、時間も限られていたので、今回のメインである「釈迦三尊像」と「動植綵絵」に重点を置いてみてきました。

B1F、1F、2Fの会場のうち、1Fがあてられていましたが、「釈迦三尊像」を正面に、円上に「動植綵絵」が取り囲むというなかなか良い感じの配置でした。

「釈迦三尊像」は妙に人間らしくて、ううん?というところでしたが、「動植綵絵」は色鮮やかで一つ一つ素晴らしい。
これは保存状態によるものか、画材の質によるものか分かりませんが、傷や剥落がないため、まるで新品のようでした。
取り上げられている対象も、花や鳥だけではなく、昆虫、蛙、魚、鮹、貝まで及び、図鑑のようです。

こうして若冲の作品を並べられると、同じようなテーマ、構図の絵が複数あることが分かります。
また、若冲の絵は独特だとも言われますが、中国の影響を受けた南蘋派、たとえば鶴亭に似ていますね。

リアリティとデフォルメが共存しているのも面白いところで、細部がやたら正確に書かれていたかと思うと、全体のポーズはわざとらしかったりします。
植物は淡々と描かれていますが、動物はにやっとしたような目つきも含めてどうも擬人化されているように感じられ、動物アニメのようにしゃべり出しそうです。

その点で、真贋論争がある「鳥獣花木図屏風」は、やはりちょっと違う気がします。先入観かも知れませんが。


まあ、今回は概観したというところで、個別の絵は、別の機会にゆっくり見ますかね。
「動植綵絵」って、三の丸尚蔵館に行けば、普段でも見られるもんなんでしょうか。

伴大納言絵巻と舟木本洛中洛外図 [芸術]

年度明けになって飲み会が多く、それはそれで不規則な生活になってしまっていますが、昨日は土曜日なのに(未明に酔っぱらって帰ってきたのに)早起きして出かけてみました。
いくつか終了時期が迫っている展覧会があり、ピンポイントで見てきました。

まずは出光美術館「やまと絵の四季」で、国宝の「伴大納言絵巻」が10年ぶりに公開とのこと。
現在公開されているのは上巻で、応天門の火事のシーンで、今後順次中巻、下巻が公開されていくそうです。

解説もきちんとしていて、現物と照らし合わせながら見ることができます。
おびただしい人が描かれていますが、驚いたり笑ったりしている人の表情が豊かで面白いです。これって漫画そのものですね。

東京国立博物館で昨年に見た鳥獣戯画と比べてゆっくり見られて良いです。なんでこんなに人の差があるのかよくわからない。

あと、出光美術館は初めてでしたが、窓から見る皇居の新緑の柔らかい色は、これも絵のようでした。



続いて上野に移動。
アフガニスタンとか若冲とか惹かれるものはありますが、寄り道せずに東京国立博物館本館へ。

ここでは岩佐又兵衛の「舟木本洛中洛外図」が公開されています。

これはすごく凝った作りというか、六曲一双の中に実に細々と建物や人が書かれています。京都の地理に詳しいと楽しいかも。
建物を見ると、寺社や城は瓦葺きですが、民家は石置きの屋根で、切妻平入りです。
人々もいろいろなことをやっていて、一つ一つみると面白いですね。ものを売っているような人、くっついている男女、南蛮人などなど。
2728人もいるそうです。

変な話ですが、みんな寄って見ているせいか、ガラスに「鼻」の跡がたくさん残っていました・・・。


ゆかいな若冲・めでたい大観 ―HAPPYな日本美術― [芸術]

先週に放送大学の学期末試験が終わり、久し振りに休日。
天気も良かったので、山種美術館に行ってきました。

新春早々に開始された展覧会と言うことで、縁起が良い絵を集めていて、時代は江戸時代から昭和まで幅広く、伊藤若冲と横山大観以外も多く展示されています。


伊藤若冲は最初に鳥獣戯画を思わせる「河豚と蛙の相撲図」が展示されていますが、やはり「群鶏図」でしょうか。
一息に書いた勢いのある尾と緻密に描かれた胴体。
若冲なのでもちろんうまいのですが、これは自分でも好きで描いているというか、得意になって描いているんだろうな、と感じます。

河鍋暁斎はそれほど点数がありませんでしたが、「浦島太郎に鶴と亀」という3枚セットの絵がありました。
鶴が水面に立っていますが、その水面にうっすらと鯉が見えるというのが超絶技巧。

これまで知らなかったところでは、伊東深水の「春」と「富士」は共に色の使い方の美しさが印象に残りました。
この人って、朝丘雪路の実父なんですね。

琳派と秋の彩り [芸術]

土曜日はたいてい疲れて寝坊してくたっとしているのですが、今朝はなぜか7時きっかりに起床してしまい、二度寝しようか逡巡しましたが、結局活動開始。


ちょうど山種美術館で「琳派と秋の彩り」というのをやっていて、月末に予定している風神雷神の旅の予習もかねて行ってきました。
http://www.yamatane-museum.jp/exh/current.html

琳派と言いつつ、尾形光琳の作品はないのですが、俵屋宗達下絵、本阿弥光悦書のシリーズは、やっぱり素晴らしいですね。それぞれ強い個性を持っているにもかかわらず、それらがぶつからずに呼応しているようです。
小さなものですが、「四季草花下絵和歌短冊帖」というのが華やかでした。

酒井抱一についてはまとまって見たのは初めてでしたが、気に入りました。
実物を見てみるとそれ以前の他の絵に比べて緑が鮮やかだし、青が印象的に使われています。
比較的時代が新しいからか、あるいは、顔料が違うんでしょうか。

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久隅守景 [芸術]

サントリー美術館の「久隅守景」を見てきました。

サントリー美術館、2回目ですが、この美術館、良いですね。床は木で、空間もゆったりとしています。さらに、この日は夜の延長時間に行ったせいか、空いていてゆっくり見られました。

久隅守景は、狩野派の江戸前期の中興の祖、狩野探幽の弟子です。
しかし、いろいろ事情があったらしく、晩年は狩野派を離れました。

狩野派としての絵もありますが、農民の生活を描いた四季耕作図、そして国宝となった夕顔納涼図があります。
http://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=A11878

四季耕作図は、江戸前期の農業の姿としても興味深いです。
道具はもちろん、知らないものばかりですが、田んぼも形は揃ってないですね。
田植えの仕方も現在ほど規則的ではなかったように見えます。

まあ、絵については琳派と違って全体的に地味ですが、花鳥図はきれいでした。
六曲一双ですが、よく見ると折り曲げたときに前に出る部分に絵が寄っているんですね。
http://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/syozou/gazo_kakudai.php?SakuId=2542&No=1


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画鬼・暁斎—KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル [芸術]

苦戦した放送大学の「日本美術史」も無事に単位が取れて、もう勉強しなくてよくなりましたが、知ることで興味も出たので、河鍋暁斎を見に行ってきました。
三菱一号美術館、初めてです。
http://mimt.jp/

河鍋暁斎は江戸から明治にかけて活躍した画家です。
名前を知っているくらいでしたが、東京藝術大学美術館でボストン美術館所有の「地獄太夫(と一休)」を見て、主題の自由さ、超絶技巧にびっくりしました。
http://www.mfa.org/collections/object/hell-courtesan-538438

相当な多作であり、かつジャンルも幅広いのですが、この時期の作品にありがちなことに、結構な数が海外に流出し待っていて、全貌がとらえにくいとのことです。

今回は、その河鍋暁斎について、浮世絵(錦絵)だけではなく、狩野派としての水墨画から、山水画、観音、動物、さらには春画までを展示していました。まじめな絵も描けるし、デフォルメした絵も描ける。すごいですね。

好きになれるものもそうでないものもありましたが、狩野派としての花鳥図は、永徳の画面をはみ出さんばかりの勢いや、探幽の余白とも異なり、画面の中にこれ以外はないだろうという絶妙の構図で収まっているのが素晴らしいと思いました。成熟とか完成といった趣です。

山水画については、遠近の表現が乏しく、平面的な印象を受けます。こういう描き方なんですかね?

あと、小さな発見は、人間の顔の描き方。
台湾の國立故宮博物館にある宋時代の蘇漢臣「秋庭戯嬰図」では、立体感を出すために鼻が白く描かれています。
http://www.npm.gov.tw/ja/Article.aspx?sNo=04000963
(ちなみに、日本語版があるのがすごいですね)

暁斎の絵も同じような技術を使っているように見えますね。
「金魚と遊ぶ小童図」
http://mimt.jp/kyosai/midokoro_04.html



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春信一番!写楽二番! [芸術]

さて、浮世絵。

三井記念美術館の「春信一番!写楽二番!」は、アメリカ・フィラデルフィア美術館が所蔵する浮世絵コレクションの展示です。
春信と写楽の名前を冠していますが、実際にはそれ以外の鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重といった大御所の作品も展示していて、浮世絵の発展をコンパクトに見ることができました。

浮世絵も初期は白黒ですが、若干の色をつけた「丹絵」になり、技術も高度化していきます。
春信の美人画も衣の描き方などに写実的と言うよりも様式的なところがあって、それなりに面白いですが、個人的には後期に出現する名所絵が好きです。
特に、ベロ藍が日本に輸入されるようになってからの北斎や広重のブルーは鮮やかで良いですよね。

ちなみに、最近の研究によると、東洲斎写楽は、「とうしゅうさいしゃらく」ではなく、「とうじゅうさいしゃらく」と呼ばれていたそうです。