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伴大納言絵巻と舟木本洛中洛外図 [芸術]

年度明けになって飲み会が多く、それはそれで不規則な生活になってしまっていますが、昨日は土曜日なのに(未明に酔っぱらって帰ってきたのに)早起きして出かけてみました。
いくつか終了時期が迫っている展覧会があり、ピンポイントで見てきました。

まずは出光美術館「やまと絵の四季」で、国宝の「伴大納言絵巻」が10年ぶりに公開とのこと。
現在公開されているのは上巻で、応天門の火事のシーンで、今後順次中巻、下巻が公開されていくそうです。

解説もきちんとしていて、現物と照らし合わせながら見ることができます。
おびただしい人が描かれていますが、驚いたり笑ったりしている人の表情が豊かで面白いです。これって漫画そのものですね。

東京国立博物館で昨年に見た鳥獣戯画と比べてゆっくり見られて良いです。なんでこんなに人の差があるのかよくわからない。

あと、出光美術館は初めてでしたが、窓から見る皇居の新緑の柔らかい色は、これも絵のようでした。



続いて上野に移動。
アフガニスタンとか若冲とか惹かれるものはありますが、寄り道せずに東京国立博物館本館へ。

ここでは岩佐又兵衛の「舟木本洛中洛外図」が公開されています。

これはすごく凝った作りというか、六曲一双の中に実に細々と建物や人が書かれています。京都の地理に詳しいと楽しいかも。
建物を見ると、寺社や城は瓦葺きですが、民家は石置きの屋根で、切妻平入りです。
人々もいろいろなことをやっていて、一つ一つみると面白いですね。ものを売っているような人、くっついている男女、南蛮人などなど。
2728人もいるそうです。

変な話ですが、みんな寄って見ているせいか、ガラスに「鼻」の跡がたくさん残っていました・・・。


ゆかいな若冲・めでたい大観 ―HAPPYな日本美術― [芸術]

先週に放送大学の学期末試験が終わり、久し振りに休日。
天気も良かったので、山種美術館に行ってきました。

新春早々に開始された展覧会と言うことで、縁起が良い絵を集めていて、時代は江戸時代から昭和まで幅広く、伊藤若冲と横山大観以外も多く展示されています。


伊藤若冲は最初に鳥獣戯画を思わせる「河豚と蛙の相撲図」が展示されていますが、やはり「群鶏図」でしょうか。
一息に書いた勢いのある尾と緻密に描かれた胴体。
若冲なのでもちろんうまいのですが、これは自分でも好きで描いているというか、得意になって描いているんだろうな、と感じます。

河鍋暁斎はそれほど点数がありませんでしたが、「浦島太郎に鶴と亀」という3枚セットの絵がありました。
鶴が水面に立っていますが、その水面にうっすらと鯉が見えるというのが超絶技巧。

これまで知らなかったところでは、伊東深水の「春」と「富士」は共に色の使い方の美しさが印象に残りました。
この人って、朝丘雪路の実父なんですね。

琳派と秋の彩り [芸術]

土曜日はたいてい疲れて寝坊してくたっとしているのですが、今朝はなぜか7時きっかりに起床してしまい、二度寝しようか逡巡しましたが、結局活動開始。


ちょうど山種美術館で「琳派と秋の彩り」というのをやっていて、月末に予定している風神雷神の旅の予習もかねて行ってきました。
http://www.yamatane-museum.jp/exh/current.html

琳派と言いつつ、尾形光琳の作品はないのですが、俵屋宗達下絵、本阿弥光悦書のシリーズは、やっぱり素晴らしいですね。それぞれ強い個性を持っているにもかかわらず、それらがぶつからずに呼応しているようです。
小さなものですが、「四季草花下絵和歌短冊帖」というのが華やかでした。

酒井抱一についてはまとまって見たのは初めてでしたが、気に入りました。
実物を見てみるとそれ以前の他の絵に比べて緑が鮮やかだし、青が印象的に使われています。
比較的時代が新しいからか、あるいは、顔料が違うんでしょうか。

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久隅守景 [芸術]

サントリー美術館の「久隅守景」を見てきました。

サントリー美術館、2回目ですが、この美術館、良いですね。床は木で、空間もゆったりとしています。さらに、この日は夜の延長時間に行ったせいか、空いていてゆっくり見られました。

久隅守景は、狩野派の江戸前期の中興の祖、狩野探幽の弟子です。
しかし、いろいろ事情があったらしく、晩年は狩野派を離れました。

狩野派としての絵もありますが、農民の生活を描いた四季耕作図、そして国宝となった夕顔納涼図があります。
http://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=A11878

四季耕作図は、江戸前期の農業の姿としても興味深いです。
道具はもちろん、知らないものばかりですが、田んぼも形は揃ってないですね。
田植えの仕方も現在ほど規則的ではなかったように見えます。

まあ、絵については琳派と違って全体的に地味ですが、花鳥図はきれいでした。
六曲一双ですが、よく見ると折り曲げたときに前に出る部分に絵が寄っているんですね。
http://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/syozou/gazo_kakudai.php?SakuId=2542&No=1


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画鬼・暁斎—KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル [芸術]

苦戦した放送大学の「日本美術史」も無事に単位が取れて、もう勉強しなくてよくなりましたが、知ることで興味も出たので、河鍋暁斎を見に行ってきました。
三菱一号美術館、初めてです。
http://mimt.jp/

河鍋暁斎は江戸から明治にかけて活躍した画家です。
名前を知っているくらいでしたが、東京藝術大学美術館でボストン美術館所有の「地獄太夫(と一休)」を見て、主題の自由さ、超絶技巧にびっくりしました。
http://www.mfa.org/collections/object/hell-courtesan-538438

相当な多作であり、かつジャンルも幅広いのですが、この時期の作品にありがちなことに、結構な数が海外に流出し待っていて、全貌がとらえにくいとのことです。

今回は、その河鍋暁斎について、浮世絵(錦絵)だけではなく、狩野派としての水墨画から、山水画、観音、動物、さらには春画までを展示していました。まじめな絵も描けるし、デフォルメした絵も描ける。すごいですね。

好きになれるものもそうでないものもありましたが、狩野派としての花鳥図は、永徳の画面をはみ出さんばかりの勢いや、探幽の余白とも異なり、画面の中にこれ以外はないだろうという絶妙の構図で収まっているのが素晴らしいと思いました。成熟とか完成といった趣です。

山水画については、遠近の表現が乏しく、平面的な印象を受けます。こういう描き方なんですかね?

あと、小さな発見は、人間の顔の描き方。
台湾の國立故宮博物館にある宋時代の蘇漢臣「秋庭戯嬰図」では、立体感を出すために鼻が白く描かれています。
http://www.npm.gov.tw/ja/Article.aspx?sNo=04000963
(ちなみに、日本語版があるのがすごいですね)

暁斎の絵も同じような技術を使っているように見えますね。
「金魚と遊ぶ小童図」
http://mimt.jp/kyosai/midokoro_04.html



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春信一番!写楽二番! [芸術]

さて、浮世絵。

三井記念美術館の「春信一番!写楽二番!」は、アメリカ・フィラデルフィア美術館が所蔵する浮世絵コレクションの展示です。
春信と写楽の名前を冠していますが、実際にはそれ以外の鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重といった大御所の作品も展示していて、浮世絵の発展をコンパクトに見ることができました。

浮世絵も初期は白黒ですが、若干の色をつけた「丹絵」になり、技術も高度化していきます。
春信の美人画も衣の描き方などに写実的と言うよりも様式的なところがあって、それなりに面白いですが、個人的には後期に出現する名所絵が好きです。
特に、ベロ藍が日本に輸入されるようになってからの北斎や広重のブルーは鮮やかで良いですよね。

ちなみに、最近の研究によると、東洲斎写楽は、「とうしゅうさいしゃらく」ではなく、「とうじゅうさいしゃらく」と呼ばれていたそうです。

ボッティチェリとルネサンス [芸術]

放送大学で「日本美術史」は再履修となってしまっていますが、今学期はさらに「芸術史と芸術理論」を履修しており、当然、ルネサンスの話も出てきます。

ということで、Bunkamura ザ・ミュージアムで久し振りに西洋美術を見てきました。

ボッティチェリはフィレンツェのウフィッツィ美術館でかの「ビーナスの誕生」も含めて見ているのですが、当時は何にも知識がなかったので、「へー、これが有名な絵か」という感想しかありませんでした。
もったいないことした。

今回は、「ヴィーナスの誕生」も「春」も展示されていませんが、大きなフレスコ画の「受胎告知」や多くの「聖母子像」が展示されていました。

少しとろんとした目つきの女性とか、柔らかい雰囲気で、ボッティチェリならではの華やかさと優雅さを感じさせて良いですね。
ルネサンスの絵画ではありますが、体のバランスなどは必ずしも写実的ではありません。

残念だったのは、絵画の順番。
ボッティチェリとルネサンスということで、テーマ別に並べられていましたが、そのことによって、書かれた時代はばらばらに並べられています。

ボッティチェリが活躍した時代のフィレンツェは、メディチ家によって牛耳られており、その富によってルネサンスの文化が花開きましたが、1494年にメディチ家はフィレンツェから追放され、修道士であるサヴォナローラが実権を握り、それまでのメディチ家の文化を否定し、信仰を強調します。
ここで、「ボッティチェリの回心」が起こり、以降の絵は華やかさが消え、暗い宗教画になってしまいます。

このあたりに注意してみると、興味深いんですけどね。





ダブル・インパクト [芸術]

旅行などでばたばたしていて、久し振りの「休み」、東京芸術大学美術館で開催されている「ダブル・インパクト」の最終日に行ってきました。

この展覧会はペリー来航後の明治に焦点を当て、日本への西洋へのインパクト、そして西洋への日本のインパクトの「ダブル・インパクト」をテーマに、ボストン美術館と東京芸術大学のコレクションを紹介するものです。

日本への西洋のインパクトはともかく、ジャポニズムだけではない日本の西洋へのインパクトをも対象とする、というのは野心的だけど、それはちょっと印象が薄かったかも。

ということで、日本美術へ西洋のインパクトについてはポイントを押さえて紹介されていましたが、こちらについては影響を受ける前の日本美術への知識がまだまだ自分に不足していて、消化不良だったかも。

収穫の一つは河鍋暁斎。実物は初めて見ましたが、ボストン美術館の「地獄太夫」、東京芸術大学の「竜神・侍者」とか、
自由すぎる。
http://www.mfa.org/collections/object/hell-courtesan-538438

あと、柴田是真の「千種之間天井綴織下図 」もデザインというか、構図が素晴らしかった。
http://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/228506/5

両方とも、インターネット上の画像だと、本物の迫力が伝わらない気もしますが。


6月からはこんなものあるそうなので、見に行かねば。
「画鬼・暁斎—KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」
http://mimt.jp/kyosai/

なんか、学生証をフル活用している。

燕子花と紅白梅 [芸術]

先週は「若冲と蕪村」 http://t-takaya.blog.so-net.ne.jp/2015-04-21 を見てきましたが、この週末は少し時代を遡り、若冲と蕪村が生まれた1716年に亡くなった尾形光琳の「燕子花と紅白梅」を根津美術館でささっと見てきました。

今になって気がつきましたが、東京っていろいろあって恵まれていますね。

展示の目玉は何と言っても「燕子花図」http://www.nezu-muse.or.jp/jp/collection/detail.php?id=10301 と「紅白梅図」。
教科書で何度も見ている図ですが、実物を見ると感慨深いです。しかし、特に燕子花図は絵の具が剥落しているところが結構あってちょっと残念でした。

根津美術館では毎年4~5月に「燕子花図」を展示しているのだそうです。
絵を見た後、少し庭園を歩きましたが、一番下ったところに燕子花が植えてありました。少し咲き始めたところがありましたが、今年の見頃は4/29~だそうです。
そこではっとしたのですが、なるほど、燕子花の咲いている時期に合わせて「燕子花図」を展示しているわけですね。
粋じゃないですか。

普段は熱海のMOA美術館にある「紅白梅図」も並んでおり、たらしこみと呼ばれる手法も近くで見るとよく分かります。
ちょっと水をこぼしてにじんでしまったようにも見えますが。

展覧会とは別ですが、紀元前の中国の青銅器の展示も見事でした。

小林清親、若冲と蕪村 [芸術]

前学期に落とした放送大学の「日本美術史」、これは実物を見るしかない、と決意しました。
ということで、気をつけて見ていると、いろいろ展覧会があるものですね。

年度も明けたので、「学習の一環」として、いくつか見に行っています。
「学習の一環」なので学割も行使したりします。

まずは、太田記念美術館で見た「広重と清親」の流れで、練馬区立美術館の「小林清親展」。
http://www.city.nerima.tokyo.jp/manabu/bunka/museum/tenrankai/kiyochika2015.html

今年は清親没後100年とのこと。
若い頃に作った「東京名所図」、光線画はやっぱり素晴らしい。
江戸ののどかさを残しながらハイカラな街並みに変わっていく様がなんとも言えません。
登場人物が結構後ろ姿であるというのも良い感じです。

しかし、時代の流れだったのか、その後、清親はこうした風景画は書かなくなってしまい、風刺画や戦争画を書く画家になってしまいます。

一人の画家に焦点を当てた展覧会だと、こうした時代や人生によって変わっていく様も知ることができて、考えさせられます。人生というのは長いものです。

面白かったのは、「浮世絵」は版画なので、同じものが二つ展示されているものがあったこと。
もちろん同じなのですが、今時の工業製品と違って、色のついた範囲など、結構違います。
いろも違うように見えるのは、保存の違いでしょうか。



もう一つは、時代も遡って、サントリー美術館の「若冲と蕪村」。
二人とも1716年に生まれているので、ほぼ?生誕100年ということになります。

場所柄か混んでいて、ちょっと辟易でしたが、伊藤若冲というのはすごいですね。
「天才画家」などというコピーは陳腐ですが、彩色画も水墨画も描ける。版画もできる。
そして、写実的に描くことももできるし、デフォルメして描くこともできる。
緻密に描くことももできるし、粗い線で漫画のようにさっと描くこともできる。
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2015_2/display.html

構図も考えられていて、生け花のよう。
こういう画が生まれるのはやはり京都なのでしょうか。

今でも京都の町を歩いていると、何気ない店先の花や看板のレイアウトにはっとしたりすることがありますが、こういうセンスの蓄積が文化なのかな、と思ったりします。