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伊藤隆「歴史と私」 [読書(教養書・実用書)]


歴史と私 - 史料と歩んだ歴史家の回想 (中公新書)

歴史と私 - 史料と歩んだ歴史家の回想 (中公新書)

  • 作者: 伊藤 隆
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/04/24
  • メディア: 新書



なんともシンプルで大胆なタイトル。
著者は1932年生まれの歴史学者で、これまでの人生と歴史研究を振り返るというもの。

研究対象は近現代で、関係者が書いた日記や、関係者のインタビューを集めるスタイルなので、とにかく色々な人名が出てきます。
最後のほうになると中曽根さんとか、竹下さんとか、宮澤さんとか知っている人が出てきますが、前のほうは全然分からないです。

ぽろりぽろりと出てくる裏話もそれぞれの人物の人柄をうかがえて面白いですが、昔の人って結構日記をつけていたんでしょうか。


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平野克己「経済大陸アフリカ」 [読書(教養書・実用書)]


経済大陸アフリカ (中公新書)

経済大陸アフリカ (中公新書)

  • 作者: 平野 克己
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2013/01/24
  • メディア: 新書





アフリカ大陸は南極大陸と並んでいったことがないところであり、最近興味津々です。
この本は買って置いたまま積ん読になっていましたが、読んでみると読み応えがある本でした。

ジャーナリストが書いた本はいろいろなエピソードが生き生きして面白いですが個別事例に留まりがちで、学者が書いた本はデータが豊富で勉強になりますが、淡々としすぎている感じがします。しかし、この本はその両方のいいとこ取りをしたような感じで、豊富なデータで、今アフリカ大陸で何が起きているのか、迫力を持って語ります。


成長のために資源を必要とする中国は今世紀になってから猛烈にアフリカへの投資を増やしており、日本を抜き去っています。中国をはじめとする資源への投資によって、長らく成長してこなかったアフリカは成長を始めています。

しかし、アフリカの弱みは農業生産にあるというのが著者の見立てで、貧弱な物流で肥料が買えないために無肥料の生産性が低い農業しか行っていないため、食料は輸入が増えて、都市の生活の高コスト化を招く。さらに、農業から余剰な労働力が生まれない。結果的に、アジアと異なり、人件費が高いために工業化が進まないのだそうです。

ちなみに、この肥料を投じる近代農業というのは結構重要で、肥料の原料となるリン鉱石やカリ鉱石の生産地は偏っているため、いくら農産物の国内自給率を高めていても、ここを押さえておかないと危ないのだそうです。なるほど。

世界的な経済格差については、かつて南北問題と呼ばれましたが、アジアが急成長を始めた結果、アフリカが取り残された形になりました。なぜ、アジアは成長して、アフリカは成長しないのかということは開発経済学の大きなテーマになったそうです。

先進国の国際援助はそれを解決するための手段として期待されているものの、実のところ各国がどのような地域に援助をしているかを見てみると、高邁な理念とは全く別の考え方で実施されているのが現状であると言うことも示されます。


中国経済の減速による資源価格の低迷など、この本が書かれた時点と少し状況が変わっているかな、と思う点もありますが、「最近アフリカが成長している」という話を理解するためには最適な本だと思います。





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宮本雄二「習近平の中国」 [読書(教養書・実用書)]


習近平の中国 (新潮新書)

習近平の中国 (新潮新書)

  • 作者: 宮本 雄二
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/05/16
  • メディア: 新書



駐中国大使を務めた著者は、中国のことを理解して欲しいという願いから新書という形式でまとめたそうです。

中国と関わりが深い著者は2001年の時点で、共産党の統治は長くは持たないと予測しましたが、結果的には現在でも続いています。その結果として、「中国の変化に共産党の統治能力の向上が追いつかなくなったとき、共産党の統治は終わる」という考え方になったそうです。

共産党は最高実力者の鄧小平が力を持つ体制でしたが、カリスマ亡き後は集団指導体制へと移行し、特に江沢民が退任後に自分の力を残したために胡錦濤は十分に力を発揮することが出来ませんでした。

しかし、胡錦濤の後の習近平は自分への権力の集中を強めています。これは本人の志向だけではなく、今の中国には強いリーダーシップが必要であるという意識が共産党に共有されているからではないかということです。

習近平は反腐敗運動として大物も含めてやり玉に挙げていますが、これはもちろん政敵を追い落とすという権力闘争の面はあるものの、共産党の統治を続けるために組織を変えなければならないという強い意志があるとのこと。

共産党の統治は常にその正統性が問われています。
経済の成長と社会の安定を実現していれば、国民に支持されるという構図でしたが、近頃の中国経済の減速がどのような影響を生むのかが気になります。
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大塚清吾「シルクロード 飛天の舞いに見せられて」 [読書(教養書・実用書)]


シルクロード―飛天の舞いに魅せられて

シルクロード―飛天の舞いに魅せられて

  • 作者: 大塚 清吾
  • 出版社/メーカー: 大修館書店
  • 発売日: 1999/06
  • メディア: 単行本



河西回廊の旅行中の読書。
というか、読んでから旅行しようと思っていたのに、時間がなくて持って行く羽目になりました。

著者はあのNHKの「シルクロード」の取材に参加したとのことで、そのエピソードを交えながら、西安、敦煌、タクラマカン砂漠を紹介しています。行っても見られない?写真も豊富です。

タイトルにもなっている飛天の話は敦煌の部分に出てきます。
初期の飛天はインドの影響を受けていて、筋骨隆々としたズボンをはいた人がジャンプをしていて、まるで体操のようです。それが時代を下るほどスリムになり、天衣でふわりと飛ぶようになります。

法隆寺金堂の飛天も同じような飛び方ですね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E9%9A%86%E5%AF%BA%E9%87%91%E5%A0%82%E5%A3%81%E7%94%BB

ちなみに、天使のような有翼天人は、なぜか敦煌以東には伝わらなかったそうです。もちろん日本にも。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9B%E5%A4%A9
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田中日佐夫「すぐわかる日本の美術」 [読書(教養書・実用書)]


すぐわかる日本の美術―絵画・仏像・やきもの&暮らしと美術

すぐわかる日本の美術―絵画・仏像・やきもの&暮らしと美術

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京美術
  • 発売日: 2009/03
  • メディア: 単行本



これまた旅行中の読書。
というか、旅行中に買って、旅行中に読んでしまった。

日本美術史に関する入門書はいくつかありますが、これは副題にもあるように、絵画・仏像・やきもの&暮らしと美術のそれぞれについて概観し、作品の画像だけではなく、時代の特徴や系統が簡潔な図表で効果的に説明されています。
年表もついていたりして、全体を概観するのにはコンパクトで良い本だな、と思いました。
焼き物の歴史って簡潔な解説はなかなかないですよね。

逆に、簡潔な概観書なので、ある程度知って入ればふむふむと読めたとして、何も知らない状態で読んでぴんとくるかな?とも思いました。
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岡田英弘「中国文明の歴史」 [読書(教養書・実用書)]


中国文明の歴史 (講談社現代新書)

中国文明の歴史 (講談社現代新書)

  • 作者: 岡田 英弘
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/12/18
  • メディア: 新書



河西回廊旅行中のKindle読書。

中国に何度か行っていると、「中国」とは何か、「漢族」とは何かという根本的な疑問が湧いてきます。
単純に、「中国人」が住んでいる国が「中国」でしょう、ということなら簡単ですが、現在の中華人民共和国を考えるならば、明らかに多民族国家です。これは今に始まったことではなく、例えば、古代の唐も多民族国家と言えたかも知れません。

そもそも、「漢族」とは何なのかを考えると、明らかに言語も地域によって異なり(これを「方言」とするのは政治的なもの)、食文化も異なり、背の高さをはじめとする身体的特徴も異なります。これって一つの民族なんでしょうか?



この本は歴史書ということになりますが、こうした疑問にも応える中国論にもなっています。

そもそも「中国」という言葉は首都を示す言葉でしたが、それが拡張され、日本の「支那」に変わる用語となりました。
そもそも「支那」というのはChinaといった西洋の言葉から来ていますが、その言葉は古代の王朝である「秦」から来ています。地球をぐるっと回って「支那」になった訳ですが、この言葉は音はともかく、漢字の意味が良くないので、「中国」の語が用いられるようになりました。

また、「漢族」というのは、少数民族に対してそれ以外といった意味しかなく、「漢字という表意文字の体系を利用するコミュニケーションが通用する範囲」といったような緩い集合体であって、同族意識などというものもつい最近までなかったと言うことになります。

民族的にも、夏はタイ系の人々だった思われますが、その後何度も北方から異民族が侵入し、それらが混じり合った結果が今の漢族になります。

そもそも漢字は表意文字で、いろいろな言語の人達の間の文字による通信手段として使われるようになりました。市場で取引を行うために使われた体系で、それぞれの「民族」の人達は違う言葉を話していたのですが、そのうちこの文字による言語からの借用も多く発生し、今日の、異なる言語だが漢字でコミュニケーションする集団が生まれたということです。

本の途中部分は政治的な支配者の変遷が中心となっていて、読み飛ばしてしまいましたが、現代の中国を見るに際しても、示唆に富む本でした。




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川北稔「砂糖の世界史」 [読書(教養書・実用書)]


砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

  • 作者: 川北 稔
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1996/07/22
  • メディア: 新書



以前に読んだ、
加藤 祐三、 川北 稔「アジアと欧米世界」
http://t-takaya.blog.so-net.ne.jp/2012-07-17
の中で、砂糖入りの紅茶を労働者階級が飲むことが、産業革命を起こしたイギリスが世界システムの中心にあることの象徴であるという、印象的な話がありました。

今回の本は、その著者の一人がこの砂糖について書いた本です。岩波ジュニア新書なので、平易な語り口ですが、学者の書いた本なので、細かい証拠に基づいています。

砂糖は誰もが欲しがる「世界商品」の代表ですが、原料となるサトウキビの生産はどこでもできる訳ではありません。ですから、ずっと高級品で、薬のような扱いさえされました。
しかし、アメリカ大陸が「発見」された結果、ラテンアメリカやカリブ海の植民地で大規模なプランテーションによるサトウキビの栽培が進められます。サトウキビの生産に集中するため、その他の食料などはすべて輸入するモノカルチャーとなります。
さらに、サトウキビの生産には大量の労働力が必要とされます。そのため、アフリカから大量の黒人奴隷が連れてこられて働かされることになりました。

また、もう一つの世界商品であるお茶も、中国やインドから運んでくるわけです。

産業革命が起こると、工場での労働者が必要となります。工場での労働者は、昼から酔っ払っているような人間ではだめで、決められた時間に素面で働かなければなりません。彼らにとってうってつけだったのが、砂糖を入れてカロリーもとれる砂糖入りの紅茶となったわけです。

産業革命によって生産された綿織物が輸出され、それによってアフリカから調達された黒人奴隷をアメリカに連れて行き、そこで生産された砂糖をイギリスに持ってくる。
そして、中国やインドから輸入してきた紅茶にその砂糖を入れ、貴族だけではなく、労働者が飲む。
こんなことが出来たのは、イギリスしかありませんでした。

その後、甜菜によって温帯でも砂糖を生産することが可能となり、先進国では砂糖は薬どころか悪者にさえされるようになってしまいましたが、砂糖が引き起こしたとも言える黒人奴隷の問題は今でもアメリカとアフリカに爪痕を残しています。
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酒井啓子「<中東>の考え方」 [読書(教養書・実用書)]

ブルガリア旅行の読書その3。


〈中東〉の考え方 (講談社現代新書)

〈中東〉の考え方 (講談社現代新書)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/05/20
  • メディア: Kindle版



著者はイラクを専門としているが、中東はわかりにくい、中東が理解されていない、という原因の一つは全体を俯瞰した入門書がないのでは、ということが本書執筆のきっかけになったということです。

そもそも「中東」という言葉自体、かなり問題をはらむ表現で、そもそも日本から見ては東ではないし、イギリスから見て極東よりは近いから中東だとしても、じゃあ、インドのあたりは何東なのかという話になる。中東自体もどこからどこまでなのか、なんとなくはっきりしません。アラブと定義するとイランは入らないし、イスラムと定義するとインドネシアまで入ってしまいます。

というわけで、アフガニスタンから北アフリカまでをあるときは個別に、あるときは全体として語っていきますが、パレスチナ問題やイラン、イラクの話はともかく、サウジアラビアのようにあまり個別には語られない国の歴史にも触れられていて、勉強になりました。

著者の講演を1回聴いたことがあるような気もしますが、文章も巧みで、良い意味で学者らしくない、興味を持たせる表現で、一気に読むことが出来ました。
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高橋和夫「イスラム国の野望」 [読書(教養書・実用書)]

ブルガリア旅行の読書その2。


イスラム国の野望 (幻冬舎新書)

イスラム国の野望 (幻冬舎新書)

  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2015/02/13
  • メディア: Kindle版



「はじめに」で、複雑な枝葉の部分を出来るだけ省略し、大事なポイントだけを絞りにそぼって、最大限にシンプルな解説をするように心がけましたと記載されているように、イスラム国に関連した中東情勢がシンプルにまとめられています。
考えてみると、

藤原和彦「イスラム過激原理主義」
http://t-takaya.blog.so-net.ne.jp/2014-02-22-1

高橋和夫「イランとアメリカ」
http://t-takaya.blog.so-net.ne.jp/2014-06-15

高橋和夫「アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図」 
http://t-takaya.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

とか、関連の本を結構読んでいたので、新しい知識ばかりと言うことではなかったのですが、現在のイスラム国による混乱の原因を、イラクの民政化後のマリキ政権による過度のシーア派重視(スンニ派阻害)としているところ、トルコのエルドアン大統領のクルド人に対する融和的な姿勢を評価しているところが興味深いところでした。

ただ、後者については2015年6月の総選挙後、トルコがイスラム国の攻撃を始めると同時にクルド人組織も攻撃し、イスタンブールでもテロが起きる、連立協議も決裂して11月に総選挙という話が出る、などここ最近になって状況が随分変わってしまったように思います。
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上原善広「日本の路地を旅する」 [読書(教養書・実用書)]

一か所滞在ではなく、移動しまくる旅行が多いので、良く聞く「旅行に行ってゆっくり読書」なんてありえないよな、と思っていましたが、久し振りのヨーロッパ、結構読みました。

行き帰りの長時間の飛行機はもちろん、バスの移動でも車窓を楽しみつつ、飽きたら暇つぶしに音楽を聴いたり、読書をしたりするのも悪くないです。もちろん、そういうことが出来るのは、KindleやiPodのおかげですし、逆に海外だと通信料が高いのでスマホいじりをしないからかも知れませんね。

ということで、ブルガリア旅行の読書その1。


日本の路地を旅する

日本の路地を旅する

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/06/10
  • メディア: Kindle版



この著者の本は「被差別の食卓」を読んだことがあり、なかなかユニークで興味深かったので、引き続き読んでみました。「路地」というのは、普通の路地のことを言っているのではなく被差別部落のことで、大阪の被差別部落出身である著者が、全国の同様の街を巡る旅行記で、これまたユニークな旅行記となっています。

旅行をしていると街の構造というものに興味がわくもので、城下町というのはもちろん、ここは寺町、ここは赤線地帯などとわかると現在の街並みや賑わい具合が腑に落ちることがあります。

一つ面白かったのは滋賀県(彦根藩)と東京のつながりの話。滋賀県は祖父の出身地で、東京はまさに今住んでいるところです。東京にも皮革産業に従事している人がいますが、ルーツをたどると滋賀県出身の人が多いのだそうです。
江戸時代は獣の肉なんて食べなかった、というのは嘘で、牛肉も結構食べられていたそうです。その中でも滋賀県の彦根藩は藩を挙げて産業振興を図っており、それが今の近江牛につながっているのかも知れませんね。そうした経緯もあり、明治の初期に滋賀県から東京に進出してきたそうです。その後の好景気で様々な地域から進出した人が働くようになり、さらにその後の不景気で従事者が少なくなったということで、今ではアフリカ出身者が多いとか。

関東、というか人の出入りが多い東京にいると同和問題とか、今ひとつぴんときませんし、日本の各地でも人の出入りが多いところは混住が進み、かつてそこがそういった地域だったことも薄まっているようですね。差別された経験を持たないとか、自分が出身者だと言うことを知らない人もいるという若者の話も出てきます。ただ、著者自身が被差別部落の出身でもあることもあり、全国のそうした街やそこで暮らす人達を見る中で、自身の生い立ち、家族、人生、そして同和問題について考えていく記述もあり、そこはなかなか重いです。







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